3Dプリンターでアイデアを形に

大型3Dプリンターとは?「3D-FABs」を使うメリット、できることまで解説

大型3Dプリンターとは?「3D-FABs」を使うメリット、できることまで解説

さまざまな立体物を造形できる3Dプリンターは、一般的には価格や性能によって家庭用と業務用に分けられます。

一般的に家庭用として販売されている3Dプリンターは、比較的低価格で手軽に扱え、技術の向上によって性能も年々上がってはきていますが、業務用の3Dプリンターと比較すると、温度調整や細かい造形パラメータにおいてはまだ課題があり、思い通りのものを造形できるまで時間も必要です。

一方、業務用3Dプリンターは、造形に使える材料が豊富で、再現性が高く、材料特性を反映した造形物を作ることが可能です。この数年、試作品の製作など立体物の造形を可能にした3Dプリンターが大型化し、造形できるサイズが大きくなっています。例えば、椅子に使われている脚やフレームといった部品も、大型樹脂3Dプリンターで造形することも可能です。大型モデルの誕生によって3Dプリンターは、全く違う次元に突入したといっても、過言ではないでしょう。

この記事では、大型3Dプリンターの特徴と、その導入にあたって便利な、学べる見積サイト・3Dプリントソリューション「3D-FABs」について解説します。

大型3Dプリンターとは?何が作れる?

大型3Dプリンターとは?何が作れる?

大型3Dプリンターとは、大きなサイズの造形に特化した3Dプリンターのことです。一般的に、一辺30cm以上プリントできるものを指すことが多いです。

大型3Dプリンターの使用用途はさまざまで、立体看板やインテリア、大型のフィギュアや装飾なども、造形できます。それどころか、これまで従来工法に基づいて作ってきた住宅や橋なども、大型3Dプリンターによって造形できるようになりました。実際に造形する前には、都市モデル自体を3Dプリンターで造形し、シミュレーションを繰り返すことで精度の向上を図っています。

アメリカでは、すでに大型3Dプリンターによる街づくりも始まっています。日本でも、そう遠くない将来に実現することになるでしょう。加速する3Dプリンターのビジネス活用については「なぜ「3Dプリンター」が再び話題に? ものづくりをどう変える? 詳しい人に聞いてみた」もご覧ください。

大型3Dプリンターの造形方式

大型3Dプリンターの造形方式

大型3Dプリンターには、さまざまな造形方式があります。代表的なものを説明します。

熱溶解積層(FDM)方式

「熱溶解積層法(FDM)」は、高温で溶ける素材のフィラメント(可塑性樹脂を糸状にしたもの)を熱で溶かしながら、積み重ねて造形していくというもの。下から積み上げていくように造形していくため、高さのある構造も作りやすいという特徴があります。特に、造形領域が密閉されていないタイプの大型3Dプリンターでは、大きなサイズのものも造形できます。素材としてエンジニアリングプラスチックを用いることも可能なので、耐久性が求められる場合におすすめの方式です。

光造形方式

「光造形方式」は、紫外線を光硬化樹脂に照射して積層します。光造形方式のメリットは、滑らかな表面のものを作りやすいということ。フィギュアの細かい表情など精巧な造形を行いたい場合は、光造形方式のほうが適しているといえそうです。また、比較的短時間で造形できるのも光造形方式の強みで、多くの大型3Dプリンターで採用されている方式です。詳しくは「光造形3Dプリンターとは?基礎知識を解説」をご覧ください。

ポリジェット方式

「ポリジェット方式」は、ヘッドのノズルからUV硬化性の液体樹脂を噴射して、UVライトで硬化させながら積層し造形していく方法です。

ジェル押出方式

「ジェル押出方式」では、ジェル状の紫外線硬化樹脂を線状に押し出して、紫外線により瞬時に硬化させて積層させていきます。素早く造形物を作り上げられるのが特徴なので、短期間で制作したい場合には適しているでしょう。

 

どの造形方式を選ぶか決める際に、「強度」や「精度」も気になるかもしれません。「3Dプリンターの造形物の強度はどれくらい?造形方式や材料から解説」では、造形方式による強度の違いや、強度を高める方法などを解説しています。また、「3Dプリンターの気になる「精度」。評価するポイントとは?」では、できるだけ正確で美しい造形物を作るための注意点、3Dプリンターにおける精度とはどのように評価するのかといった点も紹介しています。ぜひご覧ください。

また、造形方式によっては、造形物を美しく仕上げるためにサポート材が必要です。サポート材が必要な方式や造形物の形状については「3Dプリンターのサポート材の役割って何?最小限に抑えるメリットを解説」をご参考にしてください。

大型3Dプリンターの価格帯

大型3Dプリンターの価格帯

3Dプリンターの価格は、一般コンシューマー向けのコンパクトな3Dプリンターであれば数万円でも購入できます。しかし、業務用に使う大型3Dプリンターの場合は、1,000万円以上かかり、3,000万~1億円を超える価格帯の機種も多くあります。詳しくは「業務用3Dプリンターの値段は高い?選ぶポイントや導入にかかる費用を紹介」をご参考にしてください。

また、大型の場合は材料費も多く必要になるうえに、ランニングコストとして年間保守料も発生します。それらの費用を考えると、まずは3Dデータを外部業者に渡して、出力を外注する方法も検討したほうがよいでしょう。「3Dプリンターでの造形を依頼するには?外注するメリットや依頼方法」では、3Dプリンターでの造形を外注する際に知っておきたいポイントやメリット、デメリットについて解説しています。また、3Dプリンター用のデータ作成から完成の流れについては「3Dプリンターの仕組みについて、データ作成から完成まで解説」や「3Dプリンター用のデータと切削加工のデータ作りはどう違う?」をご覧ください。

大型3Dプリンターを使用するなら「3D-FABs」

欲しいのは、部品よりノウハウだ。3Dプリントのシミュレーション・価格試算をデジタル化。3D-FABsへ

ここまで大型の3Dプリンターについて解説してきましたが、選ぶときはさまざまな情報を整理しなくてはならないので、途方に暮れてしまうかもしれません。しかし、学べる見積サイト・3Dプリントソリューション「3D-FABs」なら、大型3Dプリンターで造形する場合に、一体どれくらいの費用がかかるのか知りたい場合をはじめ、次のような場合にメリットがあります。

改善点のアドバイス機能など、ノウハウを学べる

大型3Dプリンターにはさまざまな造形方式があり、最適な方法を選ぶには高度な専門知識が必要となります。「3D-FABs」ではウェブですぐに造形物の試算ができるだけではなく、設計の改善点をアドバイスする機能があり、ノウハウを学ぶことが可能です。導入時は特に困難が多いため、造形方式や設計に関するアドバイスまでしっかりしたサポートを得られるのは、「3D-FABs」を利用するメリットといえるでしょう。

金属・樹脂あわせて5機種・10種の材料から選択してシミュレーションが可能

大型3Dプリンターは、機種により可能な造形方式が異なります。「3D-FABs」では、金属樹脂あわせて5機種・10種の材料から選択して簡単にシミュレーションすることが可能です。シミュレーションを重ねながら、適した素材や造形方式を検討してみてください。

材質や設計を試行錯誤できる

「3D-FABs」では、造形可否判定結果から設計変更の提案なども確認できます。大型3Dプリンターの場合はイメージがなかなかつきにくいと思いますが、「3D-FABs」を活用することで、現状の課題や問題点も浮き彫りになることでしょう。

「3D-FABs」の利用方法は、まずは無料の会員登録を行って、手持ちの3D CADデータをアップロード。次に、さまざまな材料、造形方式から造形条件を選択します。ウェブ上で造形姿勢に変更を加えて調節して内容が定まったら、すぐに試算可能です。


予算的に難しい場合には、材料を変えて再度シミュレーションできます。また、造形スペースに複数の造形物を載せた場合の試算にも対応しています。大型3Dプリンターの導入を検討しているものの、何から手をつけていいかわからない場合は、「3D-FABs」をぜひ活用してみてください。

「3D-FABs」についてさらに知りたい方は、「学べる見積サイト・3Dプリントソリューション『3D-FABs』とは?その活用ポイントに迫る」をご参考にしてください。また、実際の操作については「『3D-FABs』を使えば、誰でも3Dプリンターのノウハウを学べるのか?? 初心者ライターが検証」をご覧ください。

大型3Dプリンターの導入を検討しているものの、何から手をつけていいかわからない場合は、「3D-FABs」をぜひ活用してみてください。

写真/Getty Images