3Dプリンターの導入を考えたときに、まず気になるのはやはり価格です。そこで、まずは「購入」ではなく「レンタル」を考えてみる場合もあるでしょう。3Dプリンターをレンタルするメリットや注意点について解説します。
- 業務用の3Dプリンターの導入にはレンタル&オペレーティングリースがおすすめ
- 3Dプリンターをレンタルするメリット
- 3Dプリンターをレンタルする際の注意点
- 3Dプリンターを使用するなら「3D-FABs」
業務用の3Dプリンターの導入にはレンタル&オペレーティングリースがおすすめ
3Dプリンターの導入にあたっては、いくつかの社内的な課題に直面することがあり、「導入がなかなか進まない……」ということも珍しくありません。どのような点が問題となりやすいか、事前に把握しておきましょう。
購入には高い導入コストがかかる
会社規模で使用する業務用の3Dプリンターは、非常に高価な製品です。購入する場合、それに見合った費用対効果があるのかどうかを検討しなくてはなりません。
使用頻度が不明瞭
業務用の3Dプリンターの導入には、コストがかかる上に「導入したところで、どれくらい使うのか」が予測しにくい場合もあります。予算を確保するには説得力のある計画を示す必要がありますが、実際に導入してみないとわからない場合が多いでしょう。
資産として計上しなければならない
業務用の3Dプリンターを購入すると、資産として計上する必要があります。
上記のようなハードルを乗り越えるためには、いきなり業務用の3Dプリンターを購入するのではなく、レンタルやオペレーティングリースを活用したほうが、導入のハードルは下がる可能性があります。特にレンタルは、購入やリースにはないメリットが多くあります。
3Dプリンターをレンタルするメリット
3Dプリンターをレンタルするメリットについて解説します。
最新機種も選択できるので、陳腐化に対応しやすい
現代の技術革新は非常に速いペースで進んでおり、特に3Dプリンターのような比較的新しい分野においては、せっかく購入した機器が数年で陳腐化してしまう場合があります。
レンタルであれば、期間を比較的自由に設定できるため、その時に販売されている最新技術が搭載された機種を利用できます。技術の進歩に追いつきたい、長期的な投資を避けたい、最新技術の適用を要求される案件の依頼があった場合などには、3Dプリンターをレンタルするという選択が適していることもあるでしょう。
費用の平準化
レンタルの場合、毎月定額の支出として費用を平準化できます。これにより、予算管理の観点からもメリットがあります。レンタル料金を予算に組み込むことで、購入する場合に比べて負担を均等化できます。
また、メンテナンスや修理などのコストもレンタル料金に含まれていることが多く、予期せぬ出費のリスクを軽減できるのも、レンタルのメリットでしょう。
中途解約が可能
3Dプリンターのレンタルでは、利用状況や需要の変化に応じて、中途解約が可能な場合もあります。レンタルは、費用負担を抑えつつ、ニーズに合わせて3Dプリンターを利用したい場合に便利です。
購入やレンタル以外の方法では、「ファイナンスリース」という選択肢もありますが、契約期間内に中途解約することはできません。
3Dプリンターをレンタルする際の注意点
一方で、3Dプリンターをレンタルする際の注意点もいくつかあります。実際にレンタルをする際には、下記のポイントを踏まえておきましょう。
3Dプリンターのノウハウが必要
担当者が3Dプリンターの初心者でこの分野に関する知識が豊富でない場合、自社の目的に合う、レンタルすべき3Dプリンターの機種はどれなのか、そもそも樹脂3Dプリンターと金属3Dプリンターのどちらが自社に適しているのかなど、選択する際に不安を覚えるかもしれません。
また、購入するのであれば、時間をかけてノウハウを獲得していくこともできますが、レンタルの場合は期間が決まっています。ノウハウがあまりない状態でレンタルに踏み切ってしまうと、思うように正確な形状の造形ができず、レンタル期間終了までに目的を達成できない可能性もあります。
3Dプリンターは、レンタルする際にも購入する際にも、社内での動作環境や複数の操作担当者を確保し、必要な知識やノウハウを属人化させないことが重要です。
レンタル可能な機種が限定されている
レンタルを活用すれば、希望の機種を気軽に試せるのがメリットですが、その一方で、レンタルできる機種は限定されています。レンタルできる範囲の中で決めなければならないという点は、事前に踏まえておいたほうよいでしょう。
オペレーティングリースという選択肢
3Dプリンターを使用する場合は、目的にあった装置を選択することがとても重要です。希望の機種をレンタルしてくれるレンタル会社が見つからない場合、あるいは常に最新機種に入れ替えて使用したい場合、オリックス・レンテックが提供するLレンタル(オペレーティングリース)という選択肢もあります。
お客さまがご希望の3Dプリンターをオリックス・レンテックがメーカーや代理店から購入し、お客さまへレンタルをする方法です。
ファイナンスリースとは異なり中途解約が可能で事業リスクに対応できます。解約時は使用期間に応じた解約レンタル料にて清算します。
購入、ファイナンスリース、レンタル、Lレンタル(オペレーティングリース)の比較
購入 | ファイナンスリース | レンタル | Lレンタル (オペレーティングリース) |
|
---|---|---|---|---|
対象物件 | お客さま指定 | お客さま指定 | お客さまがレンタル会社の保有商品の中から選定 | お客さま指定※1 |
購入先 | お客さま指定 | お客さま指定 | レンタル会社 | お客さま指定またはレンタル会社が選定 |
期間 | - | 法定耐用年数に準ずる※2 | 1日~※3 | 自由に設定可能 |
リース料総額 | 物件価格 | 物件価格の110~120%程度 | レンタル料と契約期間に応じた金額 | 契約期間次第では対象物件の残存価値によって物件価格以下も可能 |
中途解約 | - | 原則不可 | 可能※4 | 可能※4 |
会計処理 | 資産としてB/Sに計上 | リース資産およびリース債務(負債)をB/Sに計上※5 | オフバランス(経費処理)※6 | オフバランス(経費処理)※6 |
動産保険 | お客さま負担 | 契約に含む | 契約に含む※7 | 契約に含む※7 |
※1 汎用性があり、物件の特定が可能なように合理的な方法で管理できる物件が対象です。
※2 会計上の所有権移転外ファイナンス・リースを指します。
※3 レンタル料金は最短5日単位で設定されています。
※4 オリックス・レンテックの場合、レンタル・オペレーティングリースは解約時に使用期間に応じ解約レンタル料にて精算します。
※5 平成20年4月1日以降は一部の例外を除き、通常の売買取引に準じた処理が必要となりました。
※6 契約内容により注記が必要と判断される場合もあります。具体的な会計処理については貴社の監査法人とご相談ください。
※7 オリックス・レンテックの場合、基本的にレンタル・オペレーティングリースの動産保険には地震風水害特約も付いております。ただし、ご利用場所が国外や船上(水中なども含む)などは保険適用外の為、別途ご相談ください。
ここまで3Dプリンターのレンタルについて解説してきましたが、クリアしなければならない条件が多く、さまざまな情報を整理しなくてはならないので、途方に暮れてしまう方もいるかもしれません。購入やレンタルを検討する前に、ご希望の素材や3Dプリンターの機種を組み合わせて、ウェブ上でシミュレーションできるサービスがあります。それが、学べる見積サイト・3Dプリントソリューション「3D-FABs」です。造形物のシミュレーションだけでなく、試算もその場で算出してくれます。「3D-FABs」を使うメリットについて、詳しく見ていきましょう。
3Dプリンターを使用するなら「3D-FABs」
3Dプリンターにはさまざまな造形方式があり、最適な方式を選ぶには、高度な専門知識が必要です。学べる見積サイト・3Dプリントソリューション「3D-FABs」では、レンタルしたい機種や検討している機種が複数ある場合でも、6種類の機種と10種類の素材からウェブ上で適した組み合わせをシミュレーションすることが可能です。設計に関するレコメンド機能もついており、見直したほうがよいポイントもアドバイスしてくれます。その場ですぐに概算価格が表示されますので、さまざまなパターンを簡単に比較検討できます。
3Dプリンターの導入を検討しているものの、何から手をつけていいかわからない場合は、「3D-FABs」をぜひ活用してみてください。
「3D-FABs」についてもっと知りたい場合は「学べる見積サイト・3Dプリントソリューション『3D-FABs』とは? その活用ポイントに迫る」、実際の操作については「『3D-FABs』を使えば、誰でも3Dプリンターのノウハウを学べるのか?? 初心者ライターが検証」をご覧ください。
また、オリックス・レンテックでは、レンタルだけでなく、出力サービスや導入支援も行っています。上記で解説したレンタルのメリットや注意点を踏まえたうえで、自社の状況に適したやり方で、3Dプリンターの導入を進めてみてください。
写真/Getty Images